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写真・図版
満開の菜の花畑の奥に見える富士山=2025年2月14日、神奈川県横須賀市、ジョナ・エルコウィッツ撮影

 「動かざること山の如(ごと)し」。これは戦国時代に甲斐国(かいのくに)(現在の山梨県)を治めた武田信玄が、古代中国の「孫子の兵法」から旗指し物(軍旗)に用いた有名な一節です。

 山は動かないという常識が基になっていますから、理解しやすいわけですが、本当に山は動かないのでしょうか? もちろん山が自身の意思で動き出すことはありませんが、地震などの地球の活動以外にも「動く」ことがあります。

 国土交通省に属し、地形図などを作製している国土地理院が全国1003の山の標高などを見直して、情報を更新したというニュースがありました。すると、日本人にとっては信仰の対象にまでなっている富士山の標高が5センチ高くなったというのです。私のような社会科を教えている者は「たいへんだ! テキストの表記や教える内容を変えないと」と慌ててしまいますが、みなさんはご安心を。これまでが3775メートル51センチだったのが、3775メートル56センチに変わっただけなので、四捨五入して3776メートルであることに変わりはないそうです。

 とはいえ、地面や山の高さが…

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